私の頭の中の消しゴム
[2015o6] 先日『朗読劇 私の頭の中の消しゴム』を見に行きました。 原作は『pure soul』という日本のテレビドラマで、そのヒロインが言う「私の頭の中には消しゴムがあるの」という台詞を元に韓国がタイトルにして映画化した、という流れなのですが、それを更に男女の役者二人だけで朗読劇にしたもので、キャストは交代制です。 毎年出演者が発表される度に見に行きたいなと思っていたのですが、今年は運良くチケットが取れたので、大好きな役者さんの回を2公演見てきました。 ◆ 朗読劇は、基本的にお互いの日記を読んでいくというスタイル。 「○月○日 △△があった」というような感じです。 ストーリーとしては二人の出会いから始まり二人が結婚して、ヒロインである薫が若年性アルツハイマーになり、旦那である浩介のことを忘れてしまう…、という、おそらく映画やドラマと同じ流れです。 映画を事前に見ていこうと思っていたのですが結局見られなかったので、1回目は話の流れを理解することに集中。 ただ朗読するだけでなく、ちょっと笑えるシーンなど色々動きをつけるシーンも多かったので、全く退屈はしません。 そして衝撃だったのが、周りのお客さんが号泣していたことです。 今まで舞台は何度か見たことはありますが、泣けるようなお話は避けてきていたのもあり、こんなに鼻をすする音が客席のあちこちから聞こえることが新鮮で仕方ありません。 隣の席はカップルで来ており、彼女に無理やり連れて来られたのか、彼氏が開始前に「寝るかも」と話していたのですが、後半ずっと隣から鼻をすする音が聞こえてきており、終演後に隣の席をチラッと見たらハンカチを握り締めていたので、何だかニヤニヤしました。 しかし次の日、2回目を見に行った時は私もぼろぼろと泣いてしまいました。前日に原作本を買って帰りがけに読んだということもあり、すっかり夢中になっていたのです。 お芝居を見た直後で思い出しながら読んでいたのも良かったのかもしれません。 そして初日には気がつかなかったのですが、付箋に「夫の名前は浩介」とか、「時計が鳴ったら薬の時間」とか、そういう大事なことを書いて貼ってそれを読み上げているシーンがあるのですが、薫が浩介のことを忘れていくたびにその付箋や写真がぱらぱらと壁から剥がれていく演出があり、記憶が失われていく様子が表現されていて、見ていて苦しくなりました。 朗読劇って『声』で演技することがメインだと思うのですが、それだけでこんなに表現できるんだから役者さんってやっぱりすごい。 それにしても浩介の役柄が、私の見た回はぴったりハマっているような印象を受けました。 それぞれの役者さんごとに台本は多少変えているのかなと思っていましたが、原作を読むとお芝居の演技のまま、乱暴な口調のキャラクターなのでとても不思議でした。 役者さんが役をモノにするって、こういうことなのでしょうか…。 他の役者さんの演技も気になるし、次の公演も見に行けたらいいな。 ◆ お芝居も、これからはもっと色々と見に行けたらなと思っています。 憧れの宝塚とかもいつかは見に行きたい…! 以前「ライブの感想は楽しかったー!ぐらいしか書けない」と書いたのですが、結局今回も「楽しかった!」みたいな感想文だし、オチもないしボケもありません。 楽しかったんだっていうのが少しでも伝われば嬉しいです。 そして少しでも暇つぶしになればもっと嬉しいです!(Y) |