1.重いコンダラが…
・自分は頼られているのだろうか通勤車中なのだが、後ろの人に寄り掛かられている。 迷惑行為か犯罪なのかよくわからないが、地味にダメージを感じるこの寄り掛かり。 つり革とか手すりに掴まっていればオオゴトにはならないのに、なぜ拒絶なのかがわからない。 他人に体を預け、温度を感じたいのだろうか…。
寄り掛かるのは女 という先入観があってはならないので強調するが、男。背中がやけに熱い。 なのでとても気持ち悪い。 別に異性なら気持ちいいわけではなくどちらも嫌だが、同性はことさら不快さが増す。 その男はゲームに夢中のようだ。 ケータイやスマホと違ってゲームは両手が塞がるので、すし詰めというほどではない混み具合だと、電車の揺れに合わせるように、“コンダラ”は不安定になりやすい。 そこで自分という“支え”が必要となるわけか。 ・おっさん、若者に指導を受けるこの重いうえに熱くて気持ち悪い“コンダラ”を何とかしたい、と。 メンタルの強い人でたまに注意する場面に遭遇するが、自分にはこういうのは無理だ。 舌打ちとともに体を強く押し返すなど好戦的な実力行使も、ただただ怖いだけだ。
以前、やるなぁと感心したことがある。 後ろに寄り掛かられたらしい目の前にいたある若者は、微笑みながらピョンピョン飛び跳ねて、この不快な状況を難なく突破した。 上下に揺すられれば当然寄り掛かることもできないし、なんか角の立たない注意に感じる。 寄り掛かりの相手は一瞬驚くも、ちゃんと止めたのだからすごい。 気味悪がられたとも言えるが、少なくとも逆ギレされて絡まれるとかの心配はなさそうだ。 人生経験豊富な若者に対し、こちらの無為無策っぷりには苦笑いするほかない。 ・自分まで体を預けてしまうと…寄り掛かられる→押し返す これができないのだから、寄り掛かられたら自分も同じ方向に移動してみる。してみるが、ますますこちらに寄ってくる。 仕方ないからまた移動…ところがこれ以上行けない。体格のいい男がしっかり手すりを掴まってこれ以上動けない。 ならば、押されるがままに自分も体を預けると、どういうわけかマッチョマンから凄まじい舌打ちとひと睨みがぶつけられるではないか。 いかにも怒りの沸点が低そうな感じだ。 とりあえず、すいませんを二度言って目線を合わせないようにしてカラダを踏ん張ってみる。でも“コンダラ”は密着したままだ。
何かがおかしくないか? こういうとき、急行電車の間隔の長さや遠慮のない揺れ揺れの運転には憤りを感じざるを得ない。 鉄道会社はロングレール化や速度制御装置などで安全運転を計っているにもかかわらず、実際は何も改善されていない、ともっともらしい非難の言葉を考えてみるが、すぐにただの八つ当たりと気づいてさらにヘコむ。 つまるところ、“自助努力”というやつである。 人を頼っては何の解決にもならない。人のせいにしても同じ。 もっと声に出す。もっと怒れ。勇気を出すんだ! 意を決し、黙って隣の車両に移動で解決。
|