5.感謝されるのが目的?
・見返りは求めていないけど…福島でボランティアをしているというと、たまに「頭が下がります」「偉いですね」といわれることがあります。 こういわれるのに違和感があり、「そうですか?」と答えています。 「どうしてボランティアしているの?」と突っ込んで聞かれたときには、
「スポーツ感覚。汗を流して作業するのはスポーツと変わりないから」
と答えます。 2010年に初めて高尾山に登ってからトレッキングが好きになり、2011年夏には富士山にも登りました。 汗だくになりながら頂上に登り、下山したあとに温泉に入って、ビールを飲む……。 ボランティアでも、汗をかきながら作業して、そのあとに入浴してビールを飲んでいます。 同じ汗を流すのならば、何も生まないトレッキングよりも、少しでも被災者のためになるボランティアのほうが有意義ではないのかと思い始めたのです。
私は「被災者のために汗を流したい」というよりも、「汗を流して作業をすることで、少しでも被災者のためになれば」という考えです。 本音をいえば、良い行いをすれば良い報いがあり、悪い行いをすれば悪い報いがあるという「因果応報」を、少しは期待しています。 ボランティアというのは良い行いか、悪い行いかといえば、良い行いであることに間違いありません。
・良い仲間に知り合えるのも魅力この連載の第2回で、体験ツアーとボランティアツアーは似ていると書きました。 2泊3日のような農業体験ツアーだけではなく、1日のアウトドア体験ツアーとも類似しているのです。 沖縄ではシーカヤックやシュノーケリング体験ツアーが人気です。 北海道でもラフティングやカヌーの体験ツアーを行う業者はたくさんありますし、ネットで検索すれば日本全国どこでも体験ツアーを探すことができます。 観光名所巡りでは飽き足らない旅行者の、アウトドア体験ニーズが高まっているのです。 体験ツアーでは、その日に申し込みをした初対面の人とグループになり、ガイドの指導の元、スポーツをして、昼食をとります。 個人ボランティアでは5~6人のグループになり、リーダーが休憩の指示などをして、昼食を一緒にとります。
私はマリンスポーツの体験ツアーも、数え切れないほど参加しています。 体験ツアーは、そのスポーツが初めての人が大半で、運動神経のない人も参加します。 どちらのメンバーのほうが楽しく汗を流せるかといえば、ボランティアです。 良い人と知り合えるというのも、ボランティアの大きな魅力です。
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