3.メカと美少女フィギュアと私 ~平松愛理

・ワンダーフェスティバルの花

ワンダーフェスティバルの花といえば「メカと美少女フィギュア」ですな。

メーカーから製品化されないようなチョイ役、脇役、またはオリジナル解釈の個性あふれるヒロイン像。

ファン心理とクラフト魂が交通事故的にぶつかった結果の異形なる偉業。

それがWF黎明期の特徴でした。

エヴァンゲリオンが社会現象化した90年台半ば以降の盛り上がりはものすごかったと言いますね。

メカも美少女も。

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・本気で好きな人たちばかりが残っている状態

もちろん今も美少女フィギュアは大人気ジャンルっす。

いわゆる「カメラの砲列」ができるのは決まって美少女フィギュアのブースです。

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最盛期と比べたら出展数こそ減ったかもしれませんが、本気で好きな人たちばかりが残っている状態。

ブームだからって猫も杓子も美少女フィギュアって頃と比べたら、質的に輝いております。

ちなみにジブンは美少女フィギュアを部屋に飾ったり舐めたり一緒にお風呂に入ったり、そういう趣味はなくって。

もっぱらメカとバカが専門のバカなんですが、センス・オブ・ワンダーを感じる作品に対しては「すっげー!」と感嘆を漏らすに遠慮はありません。

 

・注目すべきはポーズと髪

立体造形は解釈の世界であります。

元が平面(二次元というやつ)のものを立体に起こす作業も解釈センスが問われますし、そこに自分なりに「萌え」を織り込んだ上で人様の琴線を震わせるのですから、大したものです。

たとえばこのフレッシュなキュアピーチ。

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大元のデザインにあるフリルやギャザーなどの線の多いふわふわした素材感を柔らかいラインで造形し、硬質に見えるパーツは光沢を活かしてカチッと固めております。

パニエ部分のラインの繊細な柔らかさはなかなか見れるものではないです。

注目すべきはポーズと髪でしょうか。

ヒールアップした足先から伸ばした指先までのクイックなS字カーブはキャラクターの元気の良さをわかりやすく感じさせてくれます。

ティーン独特の細めな筋肉によって太ももが健康的に見えます。

体幹部をコルセット的に絞っている衣装によってスカートのフレアと胸とのメリハリが効いています。

 

・ポーズが見どころを誘導する計算高い構成

特徴的なロールヘアのツインテールが空間をがっちり支配しています。

ここがすごい。

大小の半径でロールを繰り返す2本の大きな金髪。二重らせんですよ。

これが色味的に存在感を主張しないまま、相対的に色味が強いピンク主体の身体の背景となりつつ、しかしここに無くてはならない要素としてこのキュアピーチを完成させています。

顔が見える角度ならどこからでも視認できますが、色が弱めなので邪魔にはならず、それでいてS字カーブのポージングによって空隙となっている背後の空間密度をギュッとシメています。

動きのある踊るような髪のうねりはファンシーでマジカルでガーリーというプリキュアシリーズの雰囲気をしっかりまとっていますよね。

微細なディテールを上半身にまとめて、下半身は健康的なボディラインで勝負する。

フィギュアそのものが見どころを誘導する、計算高い構成です。

ハイレベルな元デザインに乗っかり、さらに立体造形として精度の高い仕事をした、見事な作品だと思います。

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次回は18禁フィギュアについて書きますよ。

 

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