19.組み立て説明書、どうしてる? #WF2014s

・締切も予算も歩留まりもガタガタ言われない

ワンフェスに限らず、クラフト系のイベントの見どころといえばアマチュアからセミプロレベルの人がついうっかり作っちゃった超絶技巧アンドやり過ぎなアイテムです。

締切も予算も歩留まりもガタガタ言われないのをいいことに、アマチュアでしか到達できない、趣味でしか完成させられない、そんなバカげたレベルの作品が現れるのがおもしろいと思っているのです。

以前紹介した「NZ INDUSTRIAL」のRiesen-Panzerもそうでした。→http://web-pal-pub.jp/archives/602/.html

このサークルの特徴は、レトロかっこいい人型兵器もそうなんですが、その過剰なパッケージングです。

きれいに印刷されたボックス、世界観を補足する小説のブックレット、それらセットを収める豪華な外箱。そしてなぜかショッパーバッグまで。

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キットだけでもかっこよくて過剰なのに、販促アイテムの充実っぷりがまた異常でした。

そこで二度目三度目のWFでブースに挨拶に行きがてらパッケージにかける情熱についてちょいとうかがってみましたのでみなさんもお読みなさい。

 

・そこか、そこなのか、注力するところは?

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「いいでしょ、ボックスアート二種類に増やしたんですよ」

三度会ってもやはりバカでした。

ガレージキットを買うときにボックスが選べるようになっていました。

そこか、そこなのか、注力するところは?

「タミヤ風とザブングル風なんですよ(笑)」

タミヤ風とは白いバックにメカが描かれた、タミヤMMシリーズのボックスアートを模したもの。

ザブングル風とは、荒野然とした背景にメカを配置したレイアウトを模したもののことです。

ザブングルという80年代アニメのプラモデルがえらく格好よかったのです。

ちなみに新しいキットの「三号機」。

膝が逆関節、いわゆる鳥足メカで非常にかっこいいです。

腰のウインチも実用性を感じるし、兵器ではない機能をデザインすることでそこからシチュエーションを想像させる物語性があります。

 

・プラモデルというプロダクトそのものの「模型」

さきほど述べた「模したもの」。

ひょっとしたらこのサークルの人たちはカッチョいい人型兵器のキットだけではなく、プラモデルというプロダクトそのものの「模型」も作っているふしがあります。

しっかりしたボックスを作る理由を訊いたときは「だってプラモは箱に入って売ってるじゃないですか。だから初めてワンフェスに出すときに、箱がないといけないと思ったんですよ」と、まあどこまで本気かわかりませんが、そのようにけろっと言ったのです。

 

・写真を! なぞって! インストを!

そしてここのキットには組み立て説明書が入っていますが、それもオーバークオリティなんです。

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ガレージキットのインスト(取説のこと)なんて、あってもコピー紙一枚ですよ、ふつう。

それがこのありさま。

やたらきれいな描線で描かれており、しかも配置は意図的にスタイリッシュにデザインされています。

そしてこの組み立て説明書の作り方もバカでした。

「部品の写真を知り合いのイラストレーターに送って、その人は画像ソフトで写真をなぞってこの絵を描いたんです」

写真を!

なぞって!

インストを!

こさえた!

こんなに入り組んだ物体を、こまかいディテールまでちまちまと、なぞって描いて説明書にした!

きれいでかっこいい取説じゃないとイヤだったのでしょう。

わかる! だってお店で売ってるプラモってそうですもの。

ほらね、バカでしょう。

「カンプリーセンマルス」シリーズのサイトは以下のとおり。

キットはネットでも買えますが、ワンフェス行って直接買うと楽しいですよ。

そしてサイトには件の取説のPDFデータがありますので、まあご覧になってください。

写真をなぞって描いたものだとわかって見ると、呆れますよ。

きれいで。

http://www.kampf-riesen-mars.com/index.html

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