3.濡れ傘吸引能力者

・傘、お前なぜくっつくか

濡れた傘が当たるのが辛い。

ヒトによっては気にしたことがないらしいのだが、この梅雨時期なんかにびっちょり水気を帯びた傘が足にピタッとされてイヤでないはずがない。

あまり細かいことにキャンキャン声をあげるより、もっと優然と構えているほうがいいに決まってるのは確かだが、現実の足下は水気を大量に吸わされエラいことになっているのもまた確か。

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そして自分は濡れ傘を吸引する“能力者”のようだ。

幼少に、買ってもらった傘を、手にした7秒後に全壊させた最短記録保持者ゆえの奇跡ということだろうか。

濡れ傘が吸引圏内に入ってくると、数分後には自分の足にピタッとなる。 なので、この時期に自分のそばに濡れ傘があると気が気でなくなるのだ。

 

・“カバン掛け派”と“腕掛け派”の違い

だいたいにおいて、なぜ濡れ傘が足ピタするのか? 奇跡かどうかともかく、現実に悩ましい問題なので、それなりに真面目に考えてみたりするのだが、傘を“手に持たない”ことが原因だと思う。

手に持った傘であれば足ピタするケースはあまりなく、瞬間でも他人に接触することがあれば持つ手に感覚が伝わるので、普通気づいて離すんだろう推測している。

であれば、圏内であっても自分の吸引力が及ぶレベルではない。

 

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ところが、これをカバンや腕に掛けることで均衡が破られる。

こちらの“能力”を抑えるものがなければ、濡れ傘は当然足ピタコースだ 傘をカバンや腕に掛けるとプランプランして、こちらが引き寄せても持ち主が気づくことはないからだ。

ただ勢力としては、カバン掛けは少なく腕掛けが多数。

カバンに掛けるのは問題あると感覚的にわかっているのか、いても他人に接近する頃には腕に掛け替えるなど配慮していたりする。

でも腕に掛けたからといって、こちらの能力を侮ってもらっては困る。

 

・さらに“外掛け派”“内掛け派”がある

同じ腕に掛けるにも、自分の体の外に向けて掛けるヒトと体の内に向けて掛けるヒトとに実は分けられる。

思うに、体の外に掛けるヒトは自分が濡れたくないから外へ掛けるか、何も考えていないか。カバン掛け派とあまり変わりはない。

そして、外掛けはひじょうに吸引力を発揮させる。

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じゃあ内掛けがいいかというと、これがややこしいハナシなのだが逆。

自分の体に向けるのだから最初はこちらに足ピタとはならない。

だが、時間が経つにつれ、掛けている腕を引き絞ってしまう。

傘の柄を密着させるほど、余計お腹やベルトが支点となって、傘の先は突きだしてしまうのだ。

このせいで、かえって傘先が足ピタになりやすくなるという皮肉な結果だ。

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結局は体の横、腰の辺りに掛けるのがベストで、ベルト部分でもポケットでもいい。ここだと傘がほとんど動かない。

さらに、傘先は床に着いてるほうが望ましい。 だが吸引能力者にはこれすら効かず、自分で自分の足下を濡らしてしまっている。

これが能力者のカルマともいうべき真の悩みである。

 

*編集部より
「傘を閉じるときに水を切る」ことをしないだけでは?

 

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