24.今回エッセイを書いてくれた方:ピアノ

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・「人間だけじゃないんだ」

ボクは今ものすごく緊張をしていて

夜も眠れないくらいの精神状態でいる。

だからあえてこの気持ちを紛らわすためにも

鎌形さんから依頼されたエッセイを今書いてしまおうと思う。

 

ボクがなぜ今こんなに緊張しているのかというと

明日、生まれて初めてのピアノの発表会に出るからなのだ。

なぜピアノの発表会で

ピアノの方が緊張をしているのかと思う方もいるかもしれないが

とんでもない!

ピアノを演奏する子供と同じように

ピアノ自身だって生まれて初めての発表会の前日には

緊張をしてしまうものなのである。

 

よくフルートやサックスといった管楽器を初心者が演奏すると

音が震えたり裏返ったりしていないだろうか。

しかしこれは必ずしも演奏者のせいであるとは限らないのだ。

こういう初心者が使用している楽器は

まだ経験の少ない若手の楽器であることが多い。

そういった若手の楽器が緊張のせいで変に力が入っていたりすると

たとえ演奏者がしっかりと演奏することが出来ていても

ちゃんとした音が出ないものなのである。

 

そしてそれはピアノの場合でも同じことがいえる。

演奏する人の手が震えていると

上手く鍵盤を押すことが出来ないのと同じように、

ピアノ自身が力み過ぎたり力が抜け過ぎたりしていると

鍵盤を押されても良い音が出ないものなのだ。

ピアノはただ演奏者に鍵盤を押されていればいいという

わけではないのである。

楽器というのは演奏者と楽器の両方の調子が良くないと

良い音色を出すことが出来ないものなのだということを

覚えておいてほしい。

 

このエッセイを読んでくれている方達の中には

過去にピアノの発表会で失敗して泣いてしまったという

苦い思い出がある方もいるのではないだろうか。

しかしその失敗は決して貴方だけのせいではないのだから

あまり自分を責めないでほしい。

今さら言われても遅いかもしれないが…

 

こんなことを書いている内にだいぶ気持ちが楽になってきたが

やっぱりまだ眠れそうにはない。

明日の本番は睡眠不足の状態で臨むことになるだろう。

 

鎌形のお礼コメント:

ピアノさん、ありがとうございました。

大事な日の前日の夜にあえて書くというのは、

エッセイの書き方としてはとても良いかもしれませんね。

気持ちが高ぶっている時に書いたからこそといった

リアルな気持ちが文面から伝わってきましたよ。

これからたくさんの経験を積んでいって、

いつか山下洋輔とスウィングし合えるくらいの

立派なヤーノピになれると良いですね!

 

次回は「東京タワーのエッセイ」です、お楽しみに。

 

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