6.今回エッセイを書いてくれた方:桜

桜

・「伝えたいこと」

今年もやっと花を咲かせることができた。

 

毎年やっていることではあるが

やはり体中の花びらを開ききって

全身で春の風を感じられるようになった時の

達成感と爽快感というのはなんとも言えないものがある。

 

何せ毎年ほぼ1年間をかけて咲く準備をしているのだ、

その1年間の努力が実を結んで満開になったのだから

そりゃあ喜ばずにはいられない。

 

 

もちろんこうして咲くことができたのは自分の力だけによるものではなく

多くの人の支えがあったからだ。

 

私の近くには多くの同じ桜の木の仲間達がいる。

 

私が元気を無くせば彼らが私のことを元気付けてくれるし

仲間が体調を崩した時には私や他の仲間達がフォローをしていた。

 

もし私がひとりぼっちで植えられている桜の木だったら

おそらく1年と持たなかったことだろう。

 

 

それから私たちが植えられている公園には管理人のおじさんがいる。

 

彼は毎日私たちの様子を見に来ては

誰かの体が傷ついていないかなどをチェックしてくれているのだ。

 

自分で動くことのできない我々にとって彼は無くてはならない存在なのである。

 

 

そして毎年我々が咲くのを楽しみにしてくれている人達、

皆さんがいつも我々を応援し、咲いた時に一緒に喜んでくれるから

我々は毎年寒い冬を乗り越えることができているのだ。

 

いつもこの時期になると私は

自分がいかに多くの人達に支えられているかということを

実感することができるのである。

 

せっかく多くの人に自分の気持ちを伝える機会を与えて頂いたのだから

この場を借りて感謝の気持ちを伝えたいと思う。

 

 

…と咲くことの大変さについての話はこれくらいにしておいて

私にはもう一つ伝えたいことがある。

 

それは我々が咲いたことをきっかけに

人間達の間で行われる「花見」という催しについてだ。

 

いつも我々が開花すると、それまでに見たことも無い

明らかに別の街の住民である人間達が私の近くに座り酒を飲み始める。

 

そしてそれだけならまだよかったのだが

酔っ払っていく内に行動がエスカレートしていき

私の体を傷つけたり枝を折ったりする上に

最後はゴミを近くに置いたまま帰っていくのだ。

 

 

これに私は腹が立っているのだ!

もしこの体が動けるものならそいつらを馬乗りになって殴ってやりたいくらいである!

 

もしこれを読んでいる人達の中で

今までにそのようなことをやってきた人がいるならば

次回からはそのようなことはやめてほしい。

 

これからも人間達とはいい形で共存していきたいと思っているので

そこのところを考えて頂きたいと思う。

 

鎌形のお礼コメント:

桜さん、ありがとうございました。

執筆をお願いした時に「自由に書いていいですよ」とは言いましたが

かなり自由に書かれていますね。

後半部分を書いている時なんかは

きっと鬼のような形相をして机に向かっていたことでしょうね。

 

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