8.今回エッセイを書いてくれた方:しょうゆラーメン

ラーメン

 ・「危機感が無いという危機」

始めに書いておくが僕は繁盛していないラーメン屋のしょうゆラーメンだ。

 

危機感はどんどん僕の中で膨れ上がってきている、

このままいくと間違いなく店が潰れてしまうのだ。

 

最近はまたラーメンブームが訪れているのか

近所には次々と新しいラーメン屋がオープンしている、

試しに食べに行ってみるとこれがまた美味いのだ。

 

そしてそのお返しとして

別のラーメン屋のラーメンと道端で会った時に

必ず言われてしまうのがこのセリフだ。

 

「お前のところ、全然客が入ってないな…」

 

相手の言っていることが全くもってその通りなため、

僕には返す言葉が何も無いのである。

 

 

さらに僕の不安を大きくさせているのが

僕の主人である店主の存在だった。

 

とにかくこの店主に危機感というものが無いのだ。

 

彼がお客さんがいない間にやっていることと言えば

新聞を読んでいるかテレビのワイドショーを観ているかの

どちらかに絞られる。

 

その間にできることは色々あるだろうと私は思うのだ。

 

 

この前、僕がその店主に向かって

「このままじゃ本当にヤバイですよ!」と一喝したことがあったのだが

その時ばかりは彼は対策を考えようとしていた。

 

そしてその結果彼が考え出した対策というのが

「新メニューとしてカレーを始める」というものだった、

それってラーメン以外のメニューがやたら多い

ダメなラーメン屋の典型パターンのやつじゃん!

 

この時に僕は

「ああ、この店はもうダメだな」と腹をくくったのだった。

 

 

そんなわけで僕は今この店が潰れた後のことを考えている。

 

僕を生み出してくれた店主へ一応感謝はしているので

潰れるまでは一緒に働こうと思っているのだがそこから先は僕の人生だ。

 

さて、今までしょうゆラーメンしかやったことのない僕に向いている職業は

何かあるだろうか。

 

そもそも僕にしょうゆラーメン以外の職業が勤まるのだろうか、

もしかしたら面接にも呼んでもらえないのではないだろうか、

頭の中は不安でいっぱいだが

その一方で転職したら楽しそうだなという

期待に胸を膨らませている自分もいるのだった。

 

鎌形のお礼コメント:

しょうゆラーメンさん、ありがとうございました。

大変そうですね、自分より上の人間が頼りないと

どうしたって不安になってしまいますよね。

 

しかし打ち合わせの時に1杯食べさせて頂きましたが

確かにイマイチでした。

転職、うまくいくといいですね。

もう店が潰れるのは間違いないでしょうから。

 

※画像はイメージです

 

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