11.もういない生き物、まだいない生き物を作るんだぜ

・円谷英二ありがとう! マスプロダクトありがとう!

いまや「カイジュー」と言えば世界共通の言葉じゃないですかー。

とりあえずでっかいモンスター一般を意味する「カイジュー」ですが、出処は本邦、ニッポンです。

円谷英二ありがとう!

いまでこそモンスターのフィギュアは精緻でリアルなものって印象がありますが、僕はその常識の変化は海洋堂のチョコエッグがきっかけだったと思っています。

チョコのオマケなのに超リアルに作られた動物フィギュアがお茶の間やオフィスのモニターの上なんかに当たり前に並んじゃった光景は、ある程度の年齢行った人には懐かしいものと思われます。

チョコエッグ以前のカイジューは、所詮オモチャと舐められても仕方ないようなあったかい手触りのものがほとんどでした。

しかし昔からWFではゴリゴリにとんがった造型のカイジューが並んでおり、その空気を世間一般に知らしめたのがチョコのオマケだったわけです。と思っています。

マスプロダクトありがとう!

 

・会場でライブ制作

そこでご注目いただきたいのがこいつです。

wf11-01
筋繊維の流れを把握しきったような造型。

説得力ありまくりの生物ディテールのあれこれ。

なのに完全な想像上の生き物。 「ムカデ男」と題されたこいつは会場でライブ制作中でした。

家からこのまま持ってきたというまさかの展示方法。

腕に自信がないとできません。

SANYO DIGITAL CAMERA
油粘土に見える素材はスカルピーといいます。オーブンで焼くと硬くなるのです。

焼くまでは柔らかいので長期にわたって作業するのに向いてます。

作ってるとこを目の当たりにしたのですが、無造作に粘土を盛ってスパチュラでグリグリしてるだけのようにしか見えないんです。

なんてうすらボケた僕。

生物感ディテールって難しいんですよ。

やってる作業は無造作に見えるんですけど、出来上がってくるのは生き生きとしたグロいクリーチャーなんですよね。

簡単に、というか簡単ではないのでしょうけど、迷うことなく粘土を盛り上げて誰も見たことのない生物を創造する様子は、魔法じみておりました。

真・造形とかの会。 真・大山竜の造形とかのブログ。 http://blog.livedoor.jp/ryukundayo2/

 

・絶滅動物やレッドデータアニマルも人気

生き物を作りたいって欲望はカイジュー以外にもたくさんあるようです。

恐竜やゲームのモンスターは定番のモチーフなのですが、絶滅動物やレッドデータアニマルも人気です。

あ、WFにおける「人気」とは、好んで作られるって意味です。

今回(WF2013S)ビビビと来たのは以下のもの。

 

SANYO DIGITAL CAMERA
天然記念物オオサンショウウオを、なぜか津軽塗りで仕上げたというものすごさ。

こんな写真ですみませんが現物はぜひ来場して見て欲しいです。

伝統工芸の確かな技術で作られているので非常に美しく、自分の常識が揺らぐ経験ができます。

常識が危うくされる。これは芸術体験、ワンダーです。

 

・絶滅動物の花形選手ですにゃ

そして猫ちゃんですにゃー。

愛玩動物だって度を越した技術で作っちゃうのがWFですにゃー。

もちろん未完成のキットなので自分でこさえるんですにゃ。

細かく彫り込まれた毛は、見れば見るほどリアル。

この原型を作っていることを考えると、情熱的な猫愛を感じずにはいられないですにゃ。

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サーベルタイガーは絶滅動物の花形選手ですにゃ。

進化していく過程で剣歯が大きくなりすぎたことで獲物を捕らえることができなくなり衰退していったという説を持つ、悲しきネコ科の大型哺乳類ですにゃ。

しかしというか、だからこそカッコいい。

猛烈にカッコいい動物です。

これまた毛の流れなどの細かいディテールに鬼気迫るものがありますが、ポーズや表情、手の大きさなどに見栄切りの美学があり、極めてヒロイックなフィギュアであると言えましょう。

 

12.光る兜の緒を締めて、天突くドリルの一回し #wf2014s に移動

 

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