8.クラス替え

・万国共通の教育現場

子供が通っている小学校では、毎年クラス替えをする。

アメリカでは9月から学校が始まるが、4月にもなると、学校側から全保護者に通達が来る。

その通達の内容は、「自分の子供を特定の先生のクラスに入れて下さい、いうリクエストは受け付けません。もしそのような趣旨が書いてあった場合は、その手紙を破棄します」と書かれている。

主張をするのが当たり前のお国柄なのか、どうかは分からないが、「うちの子を○○○先生のクラスにして下さい」と頼んでくる親が多いらしい。

第8話_クラス替え

なんで頼むんだ?と思ったが、理由の一つには、お兄ちゃんやお姉ちゃんが既に通っていて、父兄も、「この先生のお陰でとても勉強ができるようになった」という経緯を見ているかららしい。

あとは父兄同士の噂。

「2年生ならこの先生が一番良い」とかだろう。

でも、アメリカらしいなあと思う、もう一つの内容もその手紙に書かれている。

それは「子供同士が、近所で遊んでいても、あまり仲良く遊べない(仲良くない)関係の場合には、できる範囲内でクラス替えに考慮しますので、そのような情報はご提供下さい。」と書かれている。

考えてみれば、そういう情報は子供、親、学校にメリットがある。

子供にとってはやっぱり学校には楽しく行きたいし、親にとっても子供に楽しく登校してほしいし、友達関係で悩んでいるのを見たくはない。

それに教える学校にとっても、子供が嫌々学校に行っても、勉強に影響してしまう事が多々あるし、先生だって喧嘩の仲裁をする時間を、大切な勉強に割り当てられる。

 

・そんなの全然っカンケー無し!

そんな中、先日クラスの父兄の一人からクラスの保護者宛にメールが来た。

「子供たちが、皆とても仲良く、非常によくバランスが取れたクラスと聞いています。子供たちと先生の信頼関係もとても良く構築できているとも聞いています。なので皆さんに提案なのですが、このクラスだけそのまま○○先生と一緒に次の年度に上げてもらうように話してみませんか?」と。

驚いた、驚いた。

毎年クラス替えをするのが常なのに、そんな事が可能なのか?そんな事をしたら、学校側も他のクラスの父兄にも説明しないといけなくなるんじゃない?。

しかも学校側から例の通達は既に来ている。

通達が「特定の先生の名前を挙げるのは駄目」と言ってるのにである。

そんな事、日本人のオイラでも理解できるのに、平気で提案してくる親がいるのに驚いた。 結果は校長先生から直々に「不可です!」の返事だったらしい。

そりゃそうだろ、笑。

 

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