17.その気になればひとクラス三秒で皆殺しにできるタイプの髪留め#wf2015w
・「我々はどこから来てどこへゆくのか」岩明均の漫画『寄生獣』は1995年に完結したのですが、いまだに日本漫画界の誇る傑作として屹立しています。ちょうおもしろいですよね。 最近ようやく実写映画、アニメとなっていろんな情報が増えていますね。アニメおもしろいですね。 それきっかけで、ワンダーフェスティバルでもミギーのフィギュアが何個か出ていました。 ミギーはわかるんです。キャラクター性の高い造形なので立体物としておもしろくなるからです。 しかし髪留めとはなにごとか。 『寄生獣』の物語を奥行き深いものにしている人物のひとりに「田宮良子(田村玲子)」がいます。 彼女は人間を食べる寄生生物でありながら「我々はどこから来てどこへゆくのか」という古典的な哲学の疑問にまっすぐ向かい、自己の存在意義について考え続けます。 頭がいいのが彼女の特徴です。 面倒くさいからという理由でミギーと新一を殺そうとして頭部を刃物に変化させた際、その刃の形状を見たミギーが「やはり2パターン以上だ」と緊張したことがあります。 これは彼女の知性を端的に表わしたシーンとしてあまりにも有名です。 あ、言い過ぎました。 あまりにも有名ってほどじゃないかもしれません。
・彼女の寸止めシーンをソフトなコスプレとして楽しめる切る、突く、ひっかける目的の形状をしたそれぞれの刃と、それらが動くであろう軌道の厄介さをひとコマで表現した岩明均の漫画力の高さでもあります。 実際には振るわれていない刃を前に、我々読者も田宮良子の攻撃のヤバさを一瞬で見抜くことができたのです。 単なる読者も、もはや達人の域です。 そんな田宮良子の印象的な寸止めシーンをソフトなコスプレとして楽しめるアイテムがこれです。 彼女の髪の毛ブレードをバレッタ直付けにしたあまりといえばあまりの髪飾り。 素材はソフビ、ソフトビニールです。 中空ですが宿命的に肉厚、ゆえに重い。 アイディア、工作ともにすばらしい出来の作品なのですが、あえて難を言えば土台となるバレッタがもっと大きなものであれば使いやすくなったかもしれません。 ホールド力がやや弱かったですね。 会場ではもちろん女性に興味を持たれたらしいのですが、男性も買っていったらしいです。 ニット帽につけるということで、なんだよそのナイスアイディアおしゃれマンは、と膝を打ちました。
・TPOを問わず身につけられて使いやすいそしてこれはミギーの指人形。 もちろんソフビ製です。 写真のように指にはめるだけで新一ミギーごっこができるすぐれもので、このまま電車の吊革などをつかんでいると目立つことうけあいです。 映画の後編を観に行く時などの軽いコスプレにも使い勝手がいいのではないでしょうか。 ソフトビニールって金属の型にドロドロの素材を流し入れて固めるんですね。 で、ある程度固まったら力任せに引っこ抜くことで出来上がるのです。 金属の鋳造の場合は砂型を壊して抜くし、レジンでできているガレージキットもシリコン型を半分に割って取り出します。 だけどもソフビは型を壊さずに「えいやと引っこ抜く」のがあるのでどうしてもシャープな造形ができないという弱点があります。 そのぶん幼児向けの安全基準を満たしたオモチャや、あえてファニーな魅力を狙った作りの人形には向いているのです。 指人形だから選ばれたソフビという素材ゆえにミギーの特徴でもある鋭利な刃物部分を再現できなかったとディーラーさんは悔いていましたが、いやいや。 このくらい角がまるまってた方が、TPO問わず身につけられて使いやすくなっていると思いますよ。
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