19.今回エッセイを書いてくれた方:トンカツ

トンカツ

・「ゲン担ぎビジネス」

最近やっと気付いたことが一つある。

それはスポーツの盛んな秋や受験シーズンになると

我々トンカツがよく食べられるということだ。

その理由についても最近知ったのだが

なんでもトンカツと「勝負に勝つ」という言葉を掛けて

我々を食べているかららしい。

その事実を知った時、私はため息を漏らさずにはいられなかった。

 

どうして人はこんなにもダジャレが好きなのだろうか。

ここで言う「人」というのは人間のことだけではなく

「私の周りにいる仲間達も含めて」である。

パターンとして一番多いのが「勝海舟」だ。

どういうことかというと

テレビに勝海舟が出てくる度に

仲間のキャベツやみそ汁達が

「うーわー」という顔で私を見てくるのである。

名前が同じ「カツ」なだけで他はどこも似ていないというのに

どうしてそんな顔をされなければならないのだろうか。

 

聞けば勝負事をする前に食べると縁起がいいとされているものが

他にもたくさんあるらしい。

私と同じ理由で食べられている「カツオ」に始まり、

「WINNER(勝者)」に響きが似ているからと

ウィンナーも食べられている。

さらにはタコなんかも食べられていて

その理由は「置くと(試験に)パスするから」だというのだ。

これはさすがに無理があり過ぎるのではないだろうか。

 

さらにはこういった「ゲン担ぎビジネス」に乗っかろうとして

キットカットやらコアラのマーチやらを作っているお菓子メーカーが

毎年受験シーズンに専用の商品を発売しているらしい。

それを食べるだけで合格できたら誰も苦労はしないものだ。

私はそんなダジャレなど関係ないところで、

味だけで勝負がしたいのである。

 

だいたい私は勝負事の前に食べる食べ物には向いていないと思う。

というのも私生活では結構負けているからだ。

この前だってパチンコで10万円以上は負けたし

競馬や競艇でもしょっちゅう負けている。

そういえば先日、友達と久しぶりにテトリスをやったのだが

その時も全然スキマを上手く埋められずに負けてしまったくらいだ。

 

果たしてそれを知っても皆さんは

勝負に勝つためだけに私を食べるだろうか?

ぜひとも今後は「美味しいから」という理由だけで

私を食べに来てほしいものである。

 

鎌形のお礼コメント:

トンカツさん、ありがとうございました。

食べ物に付けられているダジャレに関しては私も同意見です。

たまたま名前が似ているからといって縁起物にしてしまうのは

良くないことですよね。

私も二度と食べ物を使った言葉遊びはしたくないものです。

 

…そうそう、原稿の方はとても良い「仕揚がり」になりましたよ!

 

次回は「エンターキーのエッセイ」です、お楽しみに。

 

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