20.歯の妖精

・歯=1ドル

以前、グラグラしていた子供の前歯が抜けた時の事。

本人にとっては初めての事だからそりゃ興奮していたんだが、なぜかとても嬉しがっている。

どうしてか聞くと「歯の妖精が来るんだもん」との返事。

 

そう、この国の子供達は、抜けた歯を枕の下に置いて寝ると、夜中に妖精がこっそりとその歯をもらいに来て、お礼としてお金を置いていってくれると信じている。

 

日本では、子供の歯が抜けると「いい歯が生えろ~ッ」と言いながら屋根や縁の下に投げるが、この国ではその日に抜けた歯を枕の下に置いて寝る。

そして子供が寝たら、親がそっと枕の下から歯を取って、代わりにお金を置いてあげる。

日本人から見ると、とても奇妙である。

 

で幾ら置くのか?と言うと、大抵1本1ドル。

だから、子供の歯がグラグラして抜けそうな時が近づいてくると、親は1ドル札を用意しておく。

 

ちなみに娘は自分の部屋で寝ようとしたら、急に妖精が来るのが恐くなってしまい、パパママのベッドで一緒に寝てしまった。

これなら、お金を置くのが楽でいいや。

20話_歯

・親が保管する…だけ

ちなみに親は、抜けた歯をどうするのかというと、最初の数本は、結構記念に保管しておくらしい。

でもうちの嫁さん、記念に保管しておきたいわりには、その保管の仕方が結構適当。

小さめのジップロックに入れて、子供達の手が届きそうもない高い所の引き出しに放り投げていたりする。

先日も小物入れの引き出しをあさっていたら、血痕のついた歯が出てきたから、ギョットした。

 

「日本じゃ屋根に投げるんだよ。そんなの、持っていてもしょうがないから、屋根に投げちまえよッ」と言ったら嫁さんに怒られた。

 

面白い事に、学校で歯が抜けたりすると、抜けた歯を無くさないよう、歯を入れるプラスチック製の小さな箱を用意してくれる。

男の子なら青色、女の子ならピンクの箱。

ちゃんと家に持って帰れるようにという事だろう。

日本人から見ると、あまり意味のなさそうな所に配慮しているから、この国がますます分からなくなってきた。

 

 21.松の木レース に移動

 

コメントを残す