3.将来のための、つまり功徳なのだ

・乗るしかない、このビッグウェーブに!

モデラーのいう「お布施」とはなにか。

自分の欲しいキットが発売されますように、という願いを込めた、メーカーへの喜捨としての「買い」です。

新製品が出るたびいちおう買うんです。

シリーズが続けば、いつかは俺のあのトラウマキットが発売されるかもしれない。

そのためにいま買い支えるのだ。

そんなフィーバー極まりない気分が蔓延していました。

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ガンダムはすでにひとつの産業です。

プラモデル部門だけとって考えても、工具や塗料など、プラモデルの周辺域にある企業をも活気づかせています。

文化圏の外からは見えにくいことですが、ガンプラの「手だけ」というものが売られているわけです。

模型用塗料専門の会社が新しく立ち上がったりしてるんです。

 

・可能性を求めてこそ、の人生

未組立キットを積んでしまう理由は脳内麻薬説、絶版不安説、初期ロットのほうが金型の状態がいいはず説などあります。

必ずしも「お布施」気分だけではないのですね。

僕にとって、まだ手を付けられていないキットは「可能性」そのものです。

自由にどうとでも作れるという文字通りの可能性でもありますが、「将来もっと上手になったら作るんだー」という非常にポジティブかつ頭の悪い、可能性への期待でもありました。

自分の技術を考えてキットを選ぶという分別も吹っ飛び、高難度の大物も買っては積んでしまいます。

さらに、格安で売られているものがあったら、すでに持っているものでも買いました。

たとえばふたつあるアイテムがそれぞれ定価と半額だったら25%引きで買ったことと同じです。

証券取引で言う「ナンピン買い」です。

ここまで読んで呆れている人には「お前らだって積ん読くらいするだろうが」と言いたいです。

 

・押し入れに収まる姿も、また美しい

在庫も増えてくると収納スペースに収まりきらなくなってきます。

そもそも作るより速く買っているのですからここで一線引くべきなのですが、なぜか興味の方向がスライドしたのです。

ちょうど結婚を期に、模型を好き放題作れる環境ではなくなってきたこともあります。

塗料の匂いがわりと強いし、身体にもいいものではないのです。

プラモを組む時間はないが、箱を隙間なく詰めることはできる。

押入れの中、さながら寄木細工のからくり箱のようにプラモの箱を収めていくことが面白くなってきました。

箱の厚みや幅を考えて最も効率よく収納するパズルです。

鍵になる小さいキットを最後に収めると、ぎっちり詰まった箱が互いに支えあって完全に固定される構造を目指しました。

まだこの時点でも、僕にとってその箱は可能性の詰まった夢のあるものでした。

買い足すことはあっても処分など思いもよりません。

バカか。

 

次回は作ったもの、完成品について書きますね。

 

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  1. Pingback: 私はいかにしてガンプラを積み上げそしてそれを処分するに至ったか

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