7.なぜ、オババは座席キープが神懸かり的なのか
このwebマガジンを編集している“中の人”から、「役に立つ話なんか、滑稽だから止めた方がいいですよ」と言われたことがあり、そのサイト趣旨の言わんとしていることはわかるのだが、制止を振り切ってあえて役に立つ話を今回したいと思う。
・正直メチャクチャ悔しい自分はつり革に掴まっている。 目の前には座席があり、ヒトが座っている。 もし、この人が降車するので席を立った場合、目の前にいる自分が座ることになる。
たとえばシルバーシートであれば、お年寄りや体の不自由な方などが優先されるが、一般席においては配慮は必要であるもののけっして優先ではない。 ただその配慮も、かなり優先に近い気遣いではある。 したがって、そういう場面では席を譲るのが妥当である。 あるいは、自分がすぐ降りる場合や元気がみなぎるなど座る必要がない場合も、周囲のヒトに譲ることになるだろう。
さて、目の前の空いた席に対し、座る条件と立つ条件はだいたい挙げたとおりだが、座りたい意思と座ることの妥当性がある場合においても、座れないことがある。 オババのイス取りである。 それまで緩慢な動きで周囲を油断させておきながら、どこかで座席が空くのを見るやいなや、加速装置のような瞬間移動で席に収まってしまうのである。 網棚の荷物を取って座ろうとした自分は、また荷物を置き直すこととなり、そのムダな運動が何とも言えない敗北感を強くさせる。 そしてオババは勝者の一睨みをこちらに向け、足を前に突き出さんばかりの挑発行為に及ぶ。 さらに、こちらの傷心を弄ぶように次の駅でさっさと降りてしまったりするのだ。
・布団かぶって泣きながらリベンジを誓ういまより昔はもっと神経の太いオババが沢山いて、自分がされたことだけでも、バッグを投げて席を取ったケース、どきなさいと威嚇するケース、足を突っ込んでどかすケース、説教するケースなどどれを取っても悪質な手口だった。 そういうことで、半泣きでホゾを噛む経験は誰にでもあると思うが、自分としてはやはり不埒なオババを撃退したい。 悔しさをバネに、その研究と対策に取り組んだのだった。 1枚目の図は、まず立ち位置の問題。 これだと次に座る人の優先順位があいまいで、自分なのかオババなのかはっきりしない。 ぐいっと踏み込まれたら自分が横に逸れるカタチとなる。 オババのもっとも基本的な割り込みパターンといえよう。 2枚目の図は、席が端でオババがナナメの位置でに立っているパターン。 自分が引いてしまうとガラ空きになってしまうのだ。 3枚目の図は、プロフェッショナルな瞬間移動のパターン。 この並びから席を取られると、こちらのメンタルのダメージは計り知れない。 以上の3パターンには、実は共通の動きがあって席を取れなくさせている。 それが4枚目の連続図だ。 つまり、自分が避けて道を作るほどオババに取られやすくなっていたのだ。 普通、前で座っている人が立てば道を作ってあげるものだが、その前に侵入者に注意するのが、このイス取り競争の大事なツボといえるだろう。
そして、道を作ってあげるにしても、全開にしないビミョーなさじ加減が、この勝負の最大のポイントである(5枚目の連続図)。 自分は道を作るが、隣のオババにも道を作らせる……そのイーブンな状態をつくることで、位置に勝るこちらが安心して座れるのだ。 以上の呼吸を十分飲み込み、作法通りに動けば百戦百勝危うからずの秘伝である…と思うが、えーともしかして一般常識でしたかね?
*編集部より
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