27.返品天国アメリカ
「自由の国アメリカ」ですが、実は「返品天国アメリカ」でもある。 どれだけ返品可能かというと、そりゃあレシートさえあれば、大抵の物は返品可能。 しかも封を開けていても、レシートさえあれば大体大丈夫。
アメリカに引っ越してきた頃は、そんな事はまったく知らなかったから、日本の感覚で買い物をしていたオイラ。 買うかどうか迷っている時に、嫁さんに 「とりあえず買っておけば?嫌なら後で返品すればいいし、やっぱり欲しいと思ってまた買いに来るのは面倒でしょ?」 と時々言われていたが、そのカルチャー的な違いを知らなかった日本人のオイラは、 「いや、そりゃちょっとお店に失礼じゃないの?」 とばかり思っていた。
商品に誤りがない場合を除いてあまり返品をしない日本人ですが、アメリカ人は違います。 「やっぱり気が変わった」だの、「買ってみたらけど似合わなかった」だの、日本では考えられない理由を平気で付け加えて返品してしまいます、ハイ。 服でもなんでも店員さんに接客してもらって、ようやく決めたものでもお構いなし。 ご丁寧に大抵のレシートに、「返品可能期間は、買ってから〇か月以内です」などと書かれている。 だから物を買ったら、レシートを数か月保存しておいたりする人もいる。
流石に、食材は鮮度の問題があるから、日数が経過したものは簡単には返品に応じてもらえないが、購入した当日であれば結構受け付けてくれる。 これに目を付ける悪い人がいるという事実もある。 洋服を買って何度か着た後に返品するという手口。 リーマンショック後の不景気時に、この手を使う人が増えたらしい。 そこで確かGAPだったかと思うけど、タグを取ってしまった商品については返品しないというルールを新たに設けたらしい(っていうかそれまで、タグがなくてもレシートがあれば返品に応じていたっていうのが驚きだったが)。
ちなみに、この返品で行列になるのがクリスマス後。 アメリカのクリスマスといえば大量のプレゼント。 そりゃ、あまり自分の好みでない物を家族からもらう事もある。 なのでクリスマス後の数日間は、デパートやお店は返品対応の為にサービスカウンターは大忙しになるらしい。
ちなみに最近のオイラは、買うか買わないか迷ったら、嫁さんのアドバイス通り、「とりあえず買っておいて、後でもう一度家で考えてみる」ようになってきた。 先日、ホームセンターに行って、「これもしかしたら必要になるかも?」という工具があったのだが、とりあえず買っておくかと購入。 そして2か月経った頃にやっぱり使わなかったから返品という事が自分自身に起きた。 そんな、日本ではあまり考えられない返品を平気でやってしまった自分に驚いたのである。
|