12.戦争準備とは?

米国のケネディー大統領は

「民主主義国家は戦争準備においてスタートから1~2年の遅れが生じる。このため生き残ろうとするならば、遅れることを十分認識した上で、独立を守る具体的な手段を持たねばならない」

と指摘しています。

 

戦争準備は①初期動員、②臨戦動員、③戦時動員の3段階に分けられます。

 

① 初期動員は、大多数の国民が戦争の可能性について気付いていない状態です。

具体的な施策としては、赤字国債を発行して戦争準備資金を捻出し、そのお金で軍事産業を整備します。

空港や港湾を整備し、資金を援助して石油などの貯蔵施設を拡張するなど外国にも国民にも分からないように産業構造を変換します。

この初期動員の特徴は極秘裏に行うことであり、表面上はあくまで行政指導で処理されます。

 

② 臨戦動員とは、軍需物資の蓄積、増産態勢の整備と軍人の育成です。

太平洋戦争を決断した帝国海軍では、日本の消費量の一年分である500万トンの石油を開戦前に備蓄します。

増産態勢の整備も、真珠湾を攻撃した1941年に800機の生産規模であった中島飛行機が翌年には2,200機、1943年には7,900機まで拡大するなど土地と生産施設を整えます。

 

東洋一の航空基地、霞ヶ浦の予科練ではパイロットを1930年代までは毎年数百人の育成でしたが1942年には1099名、1944年には7万8千人にまで拡大しています。

 

③ 戦時動員は、総動員と呼ばれています。

戦争は軍人だけでは行えません。

米国では動員を考えて平時から民間人の職業登録をしています。

例えば、コンピューター技師はサイバー部隊へ、自動車修理工は整備部隊へ配属できるよう準備しています。

太平洋戦争では飛行場の建設に建築会社の技術者を活用します。

工事の現場監督は中佐、その下で計画を作っている人物は大尉などと事細かに階級を与えて軍隊を拡大しました。

一例としてシービーズが挙げられます。

1941年に海軍と民間の建設会社が協力して創設したシービーズは、平時、熟練した高給取りの建設技術者でした。

第9建設旅団のロバート・C・ジョンソン海軍大佐の下に、建設会社の親方であった3人が配属されます。

工業団地や高層ビルを建てたり橋を作っていた技術者に海軍少佐という階級を与えます。

ブルドーザー、クレーン車、ローラー、ドリル、大型トラック、コンクリートミキサー車を保有し、小さな町の電灯をまかなえるほどの発電機まで保有していたシービーズが築いた飛行場が米国を勝利に導きます。

「シービーズを守れ」は海兵隊の合言葉となり、戦後「闘うシービーズ」と映画になっています。

 

英国、ドイツも民間会社の技術者を組織のまま引き抜き、レーダーを直接操作させる指揮官などに指名しています。

日本では平時の組織をバラバラにして軍隊に送り込み、熟練の技術者に一兵士として穴を掘らせました。

「無風の時に嵐への備えをしないのは人間の共通の欠点である。」マキャベリ

北朝鮮も韓国も弾道ミサイルを保有しています。

日本も生き残るためには具体的な手段を持たねばならないのではないでしょうか。

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