13.誰に国を任せるか:将軍の選び方

将軍の仕事とは何でしょうか?

一言でいえば「戦場を選ぶ」「時期を選ぶ」「目的を決める」の3つです。

勝つためには、相手の決めた場所やタイミング、戦争目的で戦ってはいけません。

この3つを実行するために将軍は敵と味方を知ることが必要です。

 

「最初は、歩兵の少尉として従軍し、ピラミッドの最下層の隅っこにある小さな球となる。仕事は自分がいる隅っこの小隊の指揮に精通し、兵士40名の指揮を見ることだ。ピラミッドの頂点は、同時に最下層のそのまた隅っこまで視野に入れておかなければならないのだ。片隅で何が起きているのか分からなければ、どうしても頂点で間違いを犯してしまう」(米国 パウエル大将)

 

米軍は軍隊に入ってから最初の10年を現場で過ごさせます。

兵隊と一緒に第一線を経験させ、その実績が昇進の条件となります。

軍隊の設計や装備品開発、予算交渉、学校の教官をワシントンなどで長期間行っていると昇進に差し支えると考えさせられるほど、現場を重視した人事を行います。

このため将校は現場指揮官こそ最高の天職と考えます。

 

現場経験以上に昇進へ影響するのは実戦での実績です。

 

米国34代大統領ドワイト・D・アイゼンハワーは57番/212人の成績で士官学校を卒業しました。

16年間少佐であり戦争がなければ中佐という階級の一軍人で終わるはずでしたが、太平洋戦争勃発により1941年、大佐に昇進します。

その半年後に准将、少将、中将、大将に昇進し連合軍450万人の最高司令官として終戦を迎えます。

 

ソ連も「戦闘という厳しい学校で徹底的に鍛えられた者、戦場で実績を残した者が抜擢される」という原則を貫きます。

3年で少佐から大将に昇進したチャルニコフスキー大将を始め、戦場の功績で選抜が行われ、30代、40代の将軍が軍を率いています。

 

イスラエルにいたっては士官学校がなく、軍隊に入ってからの実績による人事管理となっています。

 

日本では現場の勤務実績ではなく、士官学校の成績と、東京で軍隊の設計や装備品開発、予算交渉、学校の教官を長期間行っている軍人が昇進しました。

現場経験でみると阿南大将は9年、栗林中将は7年、山下大将、本間中将、今村大将、牛島中将にいたっては5年です。

このため日本の将軍は部下に「研究しろ」と検討させますが、決定権を持つ将軍が不勉強でした。

米国の潜水艦が問題になっていたとき、作戦を練ることに知恵を絞らず古典を読み人格を練っていたなど、敵も味方も知らない勉強不足の将軍が軍を率いていました。

勉強不足のため「軽々と結論は出せない」と検討を重ね「どうしてこのような作戦を行うのか」「根拠は」と部下が立てた作戦を批判・指導して時間を浪費します。

 

奇想天外な作戦を選択して失敗すると将軍の責任となりますが、教科書通りの作戦であれば失敗は現場の責任となります。

このため日本軍は教科書通りの作戦を繰り返します。

 

「上級指揮官は訓練が十分ではなく、積極性に欠け何度失敗しても夜襲を繰り返す傾向があった」(ソ連 ジェーコフ元帥)

国の興亡を任せる将軍は実績により抜擢をしなければならないのではないでしょうか。

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