28.日曜日、少女は痛バッグを持って

・キャラクター愛で武装した女の子

ワンフェスって、ディーラー参加者だけではなく一般参加者もなんか作っちゃうのだ、というお話。

やたら気合の入った「痛バッグ」の話です。オタク側の人には釈迦に説法となってしまってすみません。

さて「痛バッグ」をご存知ではないみなさま。

これです。

痛バッグとは「見ていて痛々しいバッグ」のこと。

オタク女子が推しキャラへの愛を訴えるためにキャラグッズで武装したバッグのことです。

キャンバストートに缶バッヂやストラップぬいぐるみ、キーホルダーなどを「ギチっ」と装着するのが主な武装法です。

もちろん手作りです。

お気に入りのグッズが汚れたり落っこちたりしたらマジへこむので透明なビニールバッグで外側を押さえるのも定番工作。

缶バッヂなど、うろこ状に折り重なっております。

鎧の一種で金属の小片をこんなふうに重ねて貼り付けるスケイルメイルってのがあります。

まさに少女は痛バッグで武装しているのであります。そんなわけねえです。

よく見るとキャラクターグッズだけではなくキャラクターのイメージカラーの花やリボンなどもあしらっており、痛いばかりでもありません。

いや、そんなことないすね。

痛いは痛いです。

バッグのハンドルにレースが付いてたりして、実用品にロゴやキャラクターのアイコンがちょっとついてるような男性向けのオタクアパレルとはちょっと違います。

ベースが女の子っぽいのです。

こりゃまあ持ち主の彼女の格好を見るとわかりますが、薄い色味のワンピースでレースやフリル、花柄を多用しております。

極めてコケティッシュで甘い方面のコーディネート。

痛々しいバッグさえなければオタクには見えないフェミニンな装いなんです。

ある日曜日の朝、ワクワクしながらとびきりかわいい服を選び、大好きなキャラクターへの愛情で武装したバッグをひっつかんで「幕張メッセ」にやってくる少女の気持ちを想像してみてください。

ねえ、かわいいでしょう。