4.バイエルン王国の王宮だったミュンヘン・レジデンツ – 宝物庫、劇場

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博物館の入口から右には宝物庫があり、多数の金銀、宝石をあしらった王冠や首飾りをはじめとする装飾品、娯楽品、生活用品が展示されています。

 

大きなエメラルドやルビー、真珠で装飾した16世紀の首飾りはかなり大きく、大人の男性がしても腹部まで垂れ下がりそうです。

おそらく重量がかなりあって、長時間の着用はしんどそうです。

 

本物の王冠を見たのはこれが初めてでしたが、時代によって種類がいろいろあって、職人の腕が冴えるものばかりです。

 

職人技といえば、ガラスや水晶をくり抜いて作った水差しや皿、グラスの精巧なさまは頭が下がります。

 

特に女性の装飾品はたくさんあり、細かい手作業で象牙や金、宝石を彫ったり、貼り付けたりした品物は色があせることなく、静かに輝いていました。

 

ここにある宝物は現在の通常の生活では不要なものばかりですが、1つだけもらえるとしたら、いいものがありました。

 

それは小さなチェスの駒と盤のセットです。

螺鈿と大理石の盤には金細工が施された脚がついていて、盤の四方にも金の唐草模様が施されています。

 

駒はおそらくトルコやイスラム文化風の東洋的な人物の像でできていて、駒をすべらす市松模様の螺鈿部分には孔雀、象、ユニコーンなど、実在する動物と伝説の動物が描かれていて繊細さを醸し出していました。

 

他にもう1つ気になった展示物は、ナポレオン1世にオースリアから嫁いだマリー・ルイーズが使用していた旅行用の化粧箱です。

 

彼女は前妻のジョセフィーヌとは違い、贅沢なことはあまりしなかったようですが、それでもこの化粧箱のセットを見るとかなり贅沢です。

 

箱の蓋を開けると2体のスフィンクスがおのおの反対方向を向いた金細工の下に八角形の鏡がついていて、箱の内部には金色の香水瓶や容器がいくつも入っていて、引出しにはハサミやナイフなどが収められています。

 

また、中央の下部を引き出すと水を貯められる小さな桶のようになっていて、箱の周りには金のロウソク台や水差しが置いてありました。

 

この宝物庫を出ると音声ガイドを返すときに劇場の場所を訊ねました。

係の若い男性は忙しそうでしたが、ていねいに劇場の行き方を地図に記して教えてくれました。

 

彼が記した矢印によると一度中庭から外へ出てから、右に折れた次の門を入ってその奥にあるようでした。

門を入ったところで両脇を濃い緑色の時計台のあるレジデンツの建物が取り囲み、少し長めの石畳の道路に幌付きのトラックが停まっていました。

まるで手塚治虫か石森章太郎のマンガに出てきそうな光景でした。

 

キュウビリエ劇場という名前で、入り口の奥にはクロークがあり、ホールにはブロンズの像が3体置いてありました。

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劇場としてはさほど大きくありませんが、オーケストラピットもあり、桟敷席に囲まれて、派手な金と赤の装飾でプライベートなオペラ鑑賞にはとてもよいところでした。

 

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