5.あのマンガ第83話 深淵の神②
・プロも個人ブースで参加してる僕がWFで毎度見に行くブースがあります。 小林和史/モデリズム(http://moderhythm.blog26.fc2.com/)です。 小林さんは模型やCGなどジャンルを問わずあらゆる造型をされているプロフェショナルで、言えば誰でも知ってるであろうあの作品の3DCGモデリングもされています。 つまり、プロも個人ブースで参加してるのがWFっちゅーわけです。
・「あっちの世界」のミニカー的なこの作品は架空の企業「メカトロ中部」が開発した「WeGo(ウィーゴ)」。 児童用一人乗りロボット。 この設定が泣かせるじゃないすか。 下腹部のただならぬ曲線やカエルっぽいかわいいフェイス、細い手足で自立しちゃうとこや背面の説得力あるメカなど、造型的に目を見張る部分は多数あるんですが、トータルパッケージが凄まじいです。 無塗装でも遊べちゃう多色成形、しかもカラフルな数パターンを用意。 これは購買欲をそそられるし、なにより楽しいです。 もし架空企業「メカトロ中部」が実在したら、きっとそこではこんなオモチャも売られるんだろうなっていうSF気分が盛り上がります。 あっちの世界のミニカー的なね。
さらに、このウィーゴが模型メーカーから発売されるというニュースもあったのです。 販売するハセガワは老舗企業です。 手持ちコンテンツの少ない新興メーカーが「WFで権利を買い叩いた」のとはわけが違います。 プロとはいえ個人制作の作品がそのまま一流メーカーの販路に乗るなんてとんでもない壮挙なんですがみなさんついてきてくれてますかー。 ・「はたらくくるま」を人型に!ウィーゴの奥に見える黄緑の機体は「チューブ1号」といいます。 これも「メカトロ中部」の製品で、乗用の重機です。 数年前、WFを流し見てた時にガッツリハートを掴まれたのです。 モデラーがオッサン化すると戦闘メカよりも農機とか重機を好むようになります。 こと日本では、戦車なんかよりトラクターやブルドーザーのほうをよく見かけますよね。 身の回りにある機械の方に親しみやリアリティを感じるってのは後知恵で、単純に「はたらくくるま」を人型にしたいよ! っていう絶対のロマンとバカに興奮するタイプ。
・死んだ爺さんと過ごした記憶チューブ1号の腰のところに突き出した操縦席、いや運転席があるのですが、これが「テーラー」そのものだったこともヤバいんです。 テーラーとは紳士服のお店ではなく、かつて農家にならどこでもあった万能の農機です。 荷車を牽引するトラックヘッドとなり、ロータリーブレードを装着して畑を耕すエンジンとなり、フライホイールからのベルト駆動で丸ノコ回して丸太を切る動力源となり。 牛馬の代わりに農家で働くコアエンジンだったのです。 僕は子供のころ何度も運転したものです。 左右独立クラッチが重いんですよ。 チューブ1号のディスプレイには爺さんとレトロな女子高生のフィギュアが一緒に並べられていました。 死んだ爺さんと過ごした秋の田んぼや春の畑の記憶が一気に思い起こされたかどうかはご想像にお任せしますが、チューブ1号がどのような機械なのかがひと目でわかるセンスフルな展示、そしてなによりこのキットに込められたエクストリーム三丁目の夕日的なSFマインドとそれを実現している確かな技術に参った僕でございます。 モデリズム http://moderhythm.blog26.fc2.com/
|
Pingback: ワンダーフェスティバルさ行がねばねったって。興奮するがら