7.生物ですのでお早めにお召し上がりください~山崎パン

・老舗というか毎度おなじみ

今回のディーラーは老舗というかWFで毎度おなじみの顔です。

複数の作家が合同で出展している巨大ブース。

それぞれがそっくり似てるわけじゃないですが、共通したセンス、向かっている方向が近い。そんな感じです。

サイバーでメルヘンで、あーなんかうまく言えないんですが、おとぎ話的な風景を確かな技術で実体化させてる人の集まりなんす。

で、その作家集団の中の「Shovel Head」さんが今回のトピックです。

 

・うひー、ぜんぶかっこいい

唐突ですが電子部品とかコンピュータの基板ってかっこいいですよね。

カラフルな抵抗器のしましま。

粒ガムのようなコンデンサ。

脚がいっぱいあるトランジスタやLSI。

鈍く透明な発光ダイオード。

緑色の基板に赤銅のラインが何本も流れる様子。

好きな人が少なくないことは知ってますぜ。

そんなフェティッシュな電子部品を使ってさらにフェティッシュなことに生物のモデルをこさえている人がいるんです。

SANYO DIGITAL CAMERA

今回はとくにハキリアリにガビーンと来たので集中的にいきますが、ほかにも電子部品の生物がたくさんあります。

うひー、ぜんぶかっこいい。

で、このハキリアリなんですが、デカい。

アリの姿をしていてデカいという事実にまず興奮します。バカですみません。

そして、ハキリアリ独特のトゲトゲした形状やいびつな頭部をしっかり再現しています。

葉っぱを持ってなくてもハキリアリだとわかる。

これ大事なことです。

なにがすごいって、部品の都合でアリの形を損なってないところですよね。

最適サイズの電子部品がなかったから的な理由で、たとえば脚が太くなってしまったり、バランスを崩してしまったり、そういうことがないんです。

この妥協の無さは、つまり、素材について広い知識がある、または根気強く素材を探してるってことです。

そういう目で見ると、このサイズのハキリアリを成立させるために選ばれた素材の確かさや工作技術、工作センスの非凡さを感じます。よね!

 

・芸術に触れるってこんなもん

見どころはメタリックな輝きと、関節部分に配置されたボルトとナットでしょうか。

このボルト&ナッツがいかにも関節っぽい見た目で、なにやらレトロな雰囲気もあり、しかも実際に締められるのでポーズ付けに機能するわけですよ。

機能美! 関節を渡るスプリングやチューブもメカとしての説得力を増しています。

このように実際に存在する部品を使った「ありえないサイズの生物」を見ると、人は錯覚を起こします。

でっかいアリなのか、アリサイズの極小マシンなのか、なんかどっちでもよくなってきちゃいますよね。

でも、世界のどこかのゴミ処理施設にこんなマシンアリが自然発生してて、基板なんかを分解、再資源化するバイオメカトロニクスな食物連鎖があったらいいな、なんて夢想を喚起しますでしょ。

それがいい、それでいい。芸術に触れるってのは、こんなもんです。

 

・盛り上がったのはハキリアリトーク

ディーラーの方と話して盛り上がったのは模型のことではなくハキリアリトークでした。

僕はNHKでやる野生動物とかの番組が好きで、ちょうどそのころ、ハキリアリの回を観てたのです。

ハキリアリは季節によって葉っぱだけでなく花びらも巣に集めて栽培しているキノコの栄養にします。

そのときの行列は花の行進、花びらの川みたいにきれいで妖精じみててマジでドリーミー。

ってな話を熱っぽくしたら興味を持ってもらえたという。

通常とは逆に、僕がディーラーの方に情報を提供できることもあるという。 だからなんだという。

 

えーっと、次回は布アイテムの話ですよ!

 

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