11.こんな結婚式ってあるんです
・アメリカの結婚式ですからね、そりゃあもう数ヶ月前、嫁さんの知人から結婚式の招待を受けた。 考えてみたら、アメリカに住んでから初めて結婚式に出席する。 車社会のこの国では、帰りは必ず運転しなくちゃいけないから、ベロベロになるまでお酒を飲めるという機会は普段あまりない。 だけど結婚式なら話は別。 どの国でも結婚式と言えば、お酒で盛り上がるのは万国共通。 こりゃ、久しぶりに遠慮なく飲めるぞと意気込んで、車を走らせた。
走らせたと言っても、今回ご招待いただいた知人は、かなり遠い所に住んでいる。 子供を連れて高速飛ばして8時間近くも走らなくてはならない。 でも、この国の結婚式は、日本の披露宴のように3時間ぐらいで終わる事はなく、6時間以上やって大盛り上がりになると聞いている。 そんなに楽しく盛り上がれるんなら、運転も頑張っちゃうぞ!と意気込んだ。
事前に聞いていた情報は、「若いカップルの結婚式で、朝に教会で式を挙げた後、会場に移ってブランチ的な食事」という事。
で、当日の朝。 集合場所の教会に行って皆に挨拶し、式は目出度く終了。 お腹もすいてきた頃に会場に移動。会場はすでに披露宴の準備が整っている。 「嫁さんがいるし、今夜は宿泊するし、何があっても大丈夫、もう今日は飲むぞ~」と体のエンジンが掛かってきた。
着席後、まず最初にサーバーの人がシャンパンを持ってきてくれた。 なかなか美味しい。 会場内を良く見ると、バーカウンターみたいなものもある。 大きな棚が壁一面に設置されていて、様々なリキュール類が綺麗に並べられている。 「よしよし、今日はまずビールを何杯か飲んだ後に、あの棚に並べてあるリキュールを攻めるかなあ~」 としみじみとそのバーカウンターを眺めながら、考えていた。
・さー!!食い…もの…だ「まずは食事だけど、ブランチって言ってたなあ。どんなのが出てくるんだろうねぇ?」と嫁さんと話しながら待っていたら、中央付近のテーブルにビュッフェ形式でサラダ、ポテト、ベーコン、フルーツ等が運ばれてきた。 まあ、事前にブランチと聞いていたけど、、、、普通の昼食じゃん~。 これから本格的な食事が出てくるのかなあと思っていたが、待っても待っても出てこない。 嫁さんに「ちょっとちょっとッ」と言いながら確認したら、「どうやらこれが食事らしいわよッ…..」との事。
でもお酒は?さっきのシャンパングラス以降、サーバーの人が注いでくれたのは水とコーヒーのみ。 お酒はどうなるんだ?さっきから見ているけど、あの目の前にある大きなバーカウンターの中では誰も働いていないぞ…..
で判明したのだが、お酒は最初のシャンパングラスのみらしい。 もうオイラはとんでもなく驚いたッ!「ええッ~、本当に?」と思わず大きな声で奥さんに聞き返す所だった。
どうやら若いカップルは本当に若くて、まだ大学を出たばかり。 でもお金がないから、形だけでもという事でこういう非常に経済的な結婚式となったらしい。 それでも、やっぱりある程度は、せっかく来てくれた親族や友人を、もてなすのが普通なんじゃないの? 我が家なんか遥遥8時間も掛けて来たんだけど……. で、さらに詳しい話を聞くと、若いカップルだからお金はないんだが、片方の親が「せっかくだから簡単でもいいから披露宴はやっておきなさいッ!」という事になり、強引にこういう事になってしまったらしい。 おいおい。。。。
・…まさかアルコールも?驚いたというか、えぇ~、せっかくの結婚式なのにこれぇ?と思ったのはそりゃ自分だけじゃないはず。 周りを見渡すと、招待された一人の女性は、どこで調達したのか、最初に配られたシャンパングラスをなぜか何本も抱えて持っている。 恐らく、気が狂いそうになったから、裏に回ってシャンパンを注ぎまくってきたんだろう、かなりウケた。
せっかくの結婚式なのに期待外れだったから、ヤケになっている様子。 「これじゃあ全然酔えないわよッ、まったくッ!」と文句をブツブツ言いながら、シャンパングラスを次々とゴクゴク飲み干していた。 すご~く笑った。
翌日、帰りも勿論8時間の長距離運転。 もうドしらけてしまったので、帰りの運転は本当に苦痛でした、ハァ~。
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