4.学生しながら会社で働く
・論文のコピペは厳禁イギリスでは失業したらニートになって雇用保険で暮らしている人たちが多くいました。 80年代は、仕事をしたくないので何かと理由をつけて雇用保険を故意に貰っていた人たちもいたようですが、私の周りは仕事をしながら大学で学習しているパートタイムコースの学生が何人もいました。 イギリス人は一般的に、悪く言えば社交性に欠け閉鎖的で照れ屋が多いです。 でも、たまたまパブで知り合った私よりも年上のロンドンっ子は、マーケティング会社に勤めながら、フレディ・マーキュリーやピート・タウンゼントが通っていた大学(当時は美術学校)の大学院で学習したことを話してくれました。 働きながら学習するのはかなりたいへんだと思いますが、それについて聞いたら、彼は一言「地獄だった」と遠くを見つめてつぶやいていました。 一般の日本人でもそうですが、長い論文を書くことは通常かなりの労力を必要とします。 彼いわく、論文を書いていって困ったことは、書いている内容がどんどん本題からそれてしまったそうです。 英語の論文にはお作法がありますから、それに則って議論を進めればいいのですが、日本の大学のようにコピペを多用することは許されません。 しかも他人の言葉を自ら言葉としてそのまま使うことも犯罪に近い行為です。 だから、文献から引用した文章を自分なりに表現して、しかもそれをその文献の作者名や文献名、ページ数を記載しなければなりません。つまり、オリジナリティをとても重要視しています。 こうしたことから、日本にもオリジナルの発明品は多いかもしれませんが、テレビや自動車、コンピュータなど現在の技術のほとんどは、欧米の技術を基本に日本で改良したものが多いことが見えてきます。
・働くことで得がたい人間関係や経験ができるちなみに、彼が通っていた大学は、私がいた当時は英国では最下位のランクでした。 学生生協のパブの名前もDog’s bollocks (直訳は「犬の睾丸」ですが、最高を意味する隠語です)でした。 英国国営放送のテレビ番組では、「そんな大学に行っても無意味」だとか、「存在すること自体がおかしい」などと不評でしたが、社会にいればそんなのどうでもいいことに感じます。 型にハマった教育よりは、たまたまそこで学習したけど「いつでも好きなことをやる」といった個人が大勢いるほうが、おもしろい世の中になるではないでしょうか。 もちろん、法律の許す範囲内です。 私がいたころは、EU以外の学生でも週に20時間の労働が許されていました。 私も東京の仕事先で知り合った英国人の紹介で、弁護士事務所を紹介されて夏休みなどを利用して働きました。 お金をたくさん稼ぐというよりは、英語で業務ができた経験は今でも役立っています。
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