22.各地での講演会
・全国へ届け・・・ふくしまの今原発被災地ガイドをしているが、ありがたいことに案内した皆さんからのお誘いで各地へ出向き講演もしている。 「案内を聴いた私達だけではもったいない。もっと多くの方へ生の実情を聴かせたい」という半ばお世辞にもとれる要請で話させて頂いてきた。 これまで東京、沖縄、横浜、札幌、江別、徳島、茨城、埼玉などで話したが複数回の所もあり延べ10数回か。 10名未満から400名近くの会場まで様々であるが、どの会場でも真剣に一生懸命聴いて頂いている。 やはり未曽有の原発事故災害の現状は大きな関心と同情と不安を持って受け止められていることがひしひしと感じられる。
タイトルは・・・「ふくしまの今」福島第一原発事故の現状 ~泣いて 笑って 怒って 生きる~。 文字通り福島の現状を基本に、これまでの泣いて、笑って、怒って、生きてきた経緯と決意を述べている。 ただ原発事故災害はとてつもなく間口が広く、ありとあらゆる課題にまで関連しており、とてもでないが短時間でそう簡単に語れるものではない。 そのため1H 半~2H使っても語りつくせないこともあった。 講演にはパワーポイントを用いる。 資料としては主に新聞報道記事や写真などを活用し、極力客観的スタンスで事実関係を明らかにし、背景などを説明する。 時には被災者の生の声なども紹介し、現状を知ってもらう。 原発事故関連報道などは大きな事案も矮小化して掲載したり、扱わなかったり、事実関係も掘り下げなかったり、背景や問題点、意味するところまではほとんど踏み込んでいない。 地元の新聞TVの報道は、大部分が国や福島県や各自治体の広報をそのまま丸呑みして伝えているだけあり、果たして報道機関ジャーナリストと言えるのか疑問を感じる。 報道機関ではなく広報機関に成り下がっていて、その矜持はないものか、情けなさすら覚える現状だ。 ・各地での講演さっぽろコープでの講演会は2015年2月札幌市で開催され、TV会議で全道のコープ支店に中継された。 全道で講演模様が見れ質問や意見、激励がリアルで交わされた。 全体で300名ほどが参加したとのこと。 その大きな力に驚いた。 それから半年後に隣町の江別市へ行った。 江別市民生委員児童委員研修会での講演会にも350名の市民の方々が参加した。 ここでも拙作原作の紙芝居を披露してから話し、大きな反応があった。 実はさっぽろコープ講演に参加した方が、ぜひ自分の市でも・・・と声を掛けてくれたものだった。 2016年7月は徳島新聞社の講演会が徳島市であり社告で広報され、一般市民の方々も応募により参加した。 徳島新聞社さんとは奇異なつながりがあり、機会があれば別号で書くが不思議な縁を感じた。 地方の有力な新聞社らしく、本社での会場も参加の皆さんも実に立派で思いやりを持って聴講していただいた。 徳島と福島は、文字通り「徳」と「福」、「と」と「ふ」の一文字が違うだけだ。 しかし私はこの一文字に大きな違いを感じていた。 福島の「福」は、経済、カネ、営利を求め、徳島の「徳」は人の心、思い遣り、自然を求めてきた意味があり、これからの日本や福島は徳島を目指すべきではないか、ということである。 今回の原発事故はそのことを教えている。 隣町の徳島県石井町社会福祉大会でも話させて頂いた。 350名を超える町民の方々も実に真剣に聴いて頂き、スタッフの方々も心から準備をし大きな交流が出来た。 一年前に原発被災地ガイドをさせて頂き、その縁で呼んでもらったのである。 東京では「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」他、横浜市では港北、港南3か所で話した。 東日本復興支援ネットワークス神奈川、WE21…など。 ここも素晴らしい方々に聴いて頂いた。女性の方々が実に見事に自立し、勉強熱心で、自分の考えで行動している様を見て、福島もこうならねばの想いを強くした。 今年は埼玉嵐山町での志木地区母親大会で話した。 ここも実に真剣に聴いてくれ多くの質問も頂いた。 一人ひとりが福島を想い、子供たちを想い、原発への怒りを告げてくれた。想いが通じる、とはとても嬉しいものだ。 心の交流を感じた。
全国の皆さん! どうぞ福島の現状、原発事故の真実、被災者の実態を聴いて頂きたい。 私達現地で遭遇した人間はその事実を伝える責任があり、皆さんはその教訓を学ぶ義務があるのです。 そうでなければ一体私達はこれまで何のために過酷な体験をしてきたのでしょうか。 これまでの苦渋の歩みはなんだったのでしょうか。 これからの子供たちへ一体何を残して行くのでしょうか・・・。
お声をいただければどこへでもまいります。 (171201筆) |
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