12. 5年目の福島第一原発事故
・何が変わったのか ⁉2011年3月11日。 そう、あの未曽有の東日本大震災・福島第一原発事故の発生した311だ。
この原稿は3.11から5年目を迎える2016年3月に掲載されるだろうと想定し書いている。 5年も経つと人の記憶は遠のき、年に1度ほどの取り上げであれば忘れてしまうのは当然であり、皆さんにまたあの311を思い出して欲しく書いている。
5年経って、一体何が変わったのだろうか? 原発事故の報道は311に合わせた年に1度ほどか。 しかし地元2紙TV5局はさすがにほぼ連日の報道がある。 地域の放射能が発表され、線量計が学校の校庭などに普通に設置されている光景などは世界中探してもありえないだろうから。
その他変わったことは⇒安心安全・風評被害コール、町へ帰ろう大合唱、子供巻き込んだ復興イベントラッシュ、復興復旧コール、土地不動産暴騰、交通事故・犯罪の増大、被災者同士・受け入れ市民との軋轢、被災者間格差増大、子供の甲状腺がん多発、離婚屋家庭崩壊の増大、関連死・自殺者の増大、物言えぬ風潮、汚染水垂れ流し、原発再稼働…。 ・何も変わらないのか ⁉その他変わらないことは⇒仮設住宅暮らし、家族離散・崩壊、ストレス増大、被災者分断、戻れないふるさと、汚染された海・川・水・山・大地・空気・自然、汚染水垂れ流し、事故隠し、嘘で固める東電体質、進まない廃炉作業、進まない除染作業と効果、事故原因解明、誰も謝罪しない体質、誰も責任取らない体質、被害者がいて加害者がいない不思議さ、後世へのつけ回し、放射能廃棄物処理不可、安全神話復活、地震津波対策不備…。
たどれば枚挙にいとまがない。 総理の「原発事故汚染水はコントロールされている」嘘発言から機を一にして、復興していることを装う実態を見ないパフォーマンスが横行している。 5年経ってもいまだ仮設暮らしと言っても多くの人は信じないだろうが、原発被災者の復興公営住宅建設は4,890戸中 825戸、17%だ(27.9月現)。 8割の世帯が仮設や借り上げ住宅住まいの現実がある。 これを、復興は進んでいるというのであろうか。
自殺者の増大もある。 福島県のそれは26年度までの3年間で、61名に上っている。 27年度もかなりの数の自殺者が後を絶たない。
震災関連死は2,000名を超えた。 直接死1,603名を超える方々が、関連死と呼ばれる原発事故死で亡くなっている。 遅々として進まない原発事故処理、復興・借り上げ住宅打ち切り、賠償金打ち切り、家族離散、長期避難弊害、展望のない見通し、希望持てない政治…因果関係のむずかしさはあれ絶望と悲観の自殺や関連死を思うとやり切れない。
一方で、復興復旧・風評被害・帰還コールのオンパレードである。 国策という、何と軽く無責任な言葉であろうか。
我々はもう「無関心」という無責任体質から改める時でないだろうか。 今は福島のことでも、明日はあなたの町のことになるのだから。
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